中野芳樹/複製
Fri, 29 May 2020 02:57:46 JST (1638d)
中野芳樹(なかのよしき)は、駿台予備学校現代文科、論文科講師。大阪校、大阪南校、神戸校、西宮北口校に出講。
経歴
- 兵庫県立長田高等学校卒業。
- 一年の宅浪を経て京都大学文学部哲学科卒業。
- 京都大学大学院修了。(専攻は不明)
- 元ECC予備校講師。
- 駿台予備学校現代文科講師(1988 - 年度)。
- 2017年度までは神戸校校長であった。
担当授業
通期
- スーパー国語(上本町校、神戸校、大阪校)
- 春のセンター現代文(大阪校)
オンデマンド
- 現代文 読解の応用講義
直前I期
授業
- ヘッドセットのマイクを右手の指でポンポンと叩き、「はい、じゃあ始めます。」と言って授業を始める。
- 「現代文の授業は、生徒が自力で客観的に内容を把握できるような読み方を教える授業。魚を取ってあげるのではなく、取り方を教えてあげる授業。」という信念の下、「どのように読めば客観的に読解できるのか」を教える授業をする。
- 授業は師考案の高度に抽象的な次元で体系化されたされた客観的速読法、論理的解答法を実践的な形で講じる。
- 知的かつ冷静な授業を展開し、非常にロジカルな手法で解答を導く。
- 師自身の価値観が絶対と思わせるような授業を展開する。
- 使用する言葉の抽象度水準がやや高いためか、レベルが高いと感じる人や(特に問題解説が)分かりにくいと評する人もおり、現代文をどうにかしたいレベルの人は講習では無理に受けない方が良いという意見もある。
- 現代文が苦手な人で師が通期担当に当たったり、講習会で師の講座を選ぶ場合は、事前に師のオンデマンド講座『現代文 読解の応用講義』を受けたり師の『現代文 読解の基礎講義』(駿台文庫)をやったりして師のやり方をある程度把握しておくか(問題のレベルが結構高いので注意)、『現代文の解法 読める!解ける!ルール36』(Z会)、『船口のゼロから読み解く最強の現代文』(学研プラス)、『池上の短文から始める現代文読解』(池上和裕著、学研プラス)のような初学者向けの参考書を一通りやって現代文の基礎をある程度築いてから受けることをオススメする。
- ある程度の水準の人は、師の語彙力や論理的思考のプロセスに引きずられて自分のそれらの能力が飛躍し、学問全般を自力で理解する力が高まる。
- 一方で、師とは異なる自分なりの解法が完成されている生徒や、関東駿台や河合塾で使われる論理的解法を用いて読解している生徒はやや混乱するかもしれない。
- とはいえ、師の客観的読解法はあらゆる文章の要旨を素早く的確に読み取る事が根本にあるので汎用性が非常に高く、マスターしておくことをオススメする。単なる受験テクニックではなく、大学入学後に論文を読む際にも使って欲しいとのこと。
- 受験が終わってからも他人の講演やプレゼンを聞いたり宿題で論文を読んだりする時にも使えるし、また普段読書をする時(入試に出てくるようなお堅い論文や哲学書や文学からブログの記事やラノベまで文字のメディアならなんでも)、卒論、プレゼンを作成する時など幅広い範囲で使える。
- 最近はまともな文章を書ける人が少なく、大学の教授が書いた論文くらいしか論理的文章と呼べないだろう。
- ちなみに、関東の読解法は評論における論理学に基づくマクロリーディングを重視した読解法であり、対して関西の読解法は評論における修辞学に基づくミクロリーディングと本文全体の要旨把握の両方を重視した読解法である。解答法についてもお互い読解法に基づいた方法を取るので同様に重視するところが変わる。
- かつては両立可能であるなどと無責任に書き込む輩も存在したが、全科目に隙をつくってはならない受験生にとって、東西の読解法の両立は物理的に不可能である。どちらか一つに絞るのが賢い受験生のやり方であろう。
- そもそも、関西の駿台に通っているのだから関西の方法をおとなしく学べばよいのである。
- なお、小説の読解に関しては、東西で評論ほど大きな差異はない。
- ただし、中野芳樹先生は小説でも細かい表現に相当気を配る(これに関しては上記した修辞を重視しているだけではなく、師の「小説は言葉の芸術である」という信条に基づいた結果であると思われる)。
- 何気ないただの文章にも頭の中で客観的読解法を当てはめてしまうようになればもう立派なヨシキスト。読解法の通し番号まで全て覚えたら筋金入りである。
- 師の真価は非常に高度に体系化された解答方法にある。現代文の設問に関して「正しい解答は制限時間内でどのように書くのか」を実践的な視点から教えてくださる。
- 授業で扱う問題については、予習として初めてその文章を読むという心持ちで読解作業から始め、一から答案を作っておられるようで、実際、通年講座とオンデマンドで同一文章を扱っても、提示される解答は異なっている。
- 授業内で行う読解も、「制限時間内に学生が読める」レベルの読解内容を読解法に基づいて提示する。
- あまりにも高度な読解は学生レベルでは到底できず、熟練した講師しかできないと考えているためである。
- 授業内で提示する解答も、「試験時間内に学生が書ける」もの(と同時に試験会場で書くべき答案)を提示する。
- これも、その文章の背景とすることを知っていたり、熟練の講師であるからこそ書ける解答を提示するのは無意味であり、後出しジャンケンの様なものと考えるからこそである。
- 世に溢れる現代文の解き方などについて、師が正しくないと感じるものについては、明確な論拠を以て批判する。
- 本文読解を解答作業と同時進行することを姑息であるとし、意味段落で解答領域を区切ることについても根拠がないと批判なさっていた。
- 読解法の確認中に設問解説を軽く挟むことがあるが、これは記憶の新しい内に理解してもらうためであり、通読後再度細かく説明してくださる。
- 更に、対比を過度に重要視する現代文科講師に対して「特にやたらと対比を重要視する国語講師がいますけど、あんなの無根拠です。」であったり「現代文における都市伝説とすら言える。」と、対比はあくまで強調を目的とした修辞の1つに過ぎないとする自身の考えから強く批判していた。
- 文章を読む前にタイトル、出典を見てもたいして変わらないと言っていた。キーワード集などに対しても意味が無いと批判。
- 消去法は学力向上に繋がらないと批判する。内容は正しくても問いにしっかり応答していない記述(選択肢)に引っかかってしまうからだそう。
- 選択式問題でも常に記述解答を意識した解説をする。「〇番選んだ人は消去法使ってるんちゃいます?」とよく注意される。偶に消去法に親でも殺されたのかという程にまで消去法を批判なさる(「消去法を使う奴は未来が無い」とまで仰っていた)。
- もっともこれに関しては、師と対立する関東の霜栄先生についても同じ意見であり、消去法を批判する現代文講師は多い。
- 「(記述式答案について)自分の言葉で考えて書く」という言葉に対しても、「聞こえは良いが、書きたい事を書いているだけ。」とも批判していた。
- 「読めれば解ける」論の指導も強く批判している。
- 解答するためには「論理的思考」と表現するための訓練が必須であり、読むことに偏重することは、その2つの訓練への軽視に他ならない、という理由である。
- 本文読解を解答作業と同時進行することを姑息であるとし、意味段落で解答領域を区切ることについても根拠がないと批判なさっていた。
- センター試験廃止についても、「寝言言ってますけど」と批判している。が、そうも言っていられない決定が文部科学省から出され、動静が気に掛かる。
- これは、師が記述や選択肢という設問形式ではなく、設問内容に重点を置いた記述と選択の両方に通用する解答方法を教えており、現行の方式でも十分に国語力を測れていると考えるためである。
- 選択問題と記述問題を別物と扱う受験生や、二次で記述が要らないからと記述問題をないがしろにする受験生を嫌っておられる。
- 選択問題で正解選択肢を積極的に選択できるようにするには記述問題で正しい解答を書けるようにできなければならないためである。
- 論文科も兼任している。生命倫理を専門としており、講習会では医系論文や医学部面接対策も担当している。そのため医療従事者への思いは人一倍強く、医系クラスでは特に厳しい。
- 受け流しているように見える生徒がいると、「雑談とちゃいますよ!」と釘を刺す。
- 長年、関西圏での『東大現代文』を担当している。
- 授業のペースは結構早く、必要であれば同じ問題を何回も解説することもある。
- 口調はやや眠く、マイクの音量が小さくてもそのまま授業をすることもある一方で、空調の効きが悪い時は授業をする教室の変更をしたこともある。
- 寝ている生徒を見るとキレる。
- 本人曰く、非常に気になり耐えられないらしい。
- 休み時間に寝ていて師が教室に入って来ても寝ている生徒にキレる。
- 教卓から寝ているように見える生徒にもキレることがある。
- 最初は優しく注意されることも多いが、連続すると「もう知らないからね」と言って見捨てられる。
- 「客観的速読のための読解法一覧」など師のプリントは横書きである。
- 字や図は大きく書き、読めないことはないが雑く、殴り書く(本人も、自分の字は汚ないと仰っていた)。師の授業の唯一の欠点である。
- 点線の書き方がテクニカルで上手い。
- 復習で理解の道筋が辿り直せるように、授業中にしっかり理解し、読解プロセスや解答プロセス、板書事項や図には、必要な説明を書き加えておくと良い。
- 口頭で重要な事を言うこともある、というか板書を殆どしないので注意されたし。メモは言うまでもなく必須。
- 本番を常に意識した実戦性の高い講義を行うので、授業中の読解・解答プロセスは色ペン一本で辿るべきだが、解答プロセスはポイントが複数あるので、色ペンを複数使っても良いかもしれない。
- 質問対応は非常に良い。但し、疑問点を明確にし、それに至るプロセスなどもきちんと持って行く事。というか、そんなことは言われなくてもできて当然であるが。
人物
- 現代文科のGOD。
- 駿台現代文科きってのイケメン講師である。とにかく、渋カッコいい。
- 約三十年にも及ぶ講師生活を経てきたベテランとだけあって、醸し出す貫禄が尋常ではない。
- 東進の林修先生が有名となるまでは、データハウス社の『東大理III』内の合格者オススメ講師において、現代文の項目は師の独占状態であった。
- 現在でも、その名はやはり複数名が挙げている。
- 東進屈指の批判魔で知られる林修先生は東大特進コースの自身の授業において、駿台現代文全般、ついでに河合塾現代文全般(、ひいては師以外の東進現代文全般)もをコテンパンに批判するため、東大特進出身の駿台生には中野アンチが多数いる模様。なお、林修先生は河合塾に比べれば駿台(というよりは中野先生の解答)に対してはそこそこの評価を与えてはいる。
一方、河合塾に対して慈悲はない。- しかしながらそんな林修先生ですら師の解答のクオリティーの高さは認めている模様。
- ある大学の解答速報を担当した際、師の発表した解答と他の予備校のものとが食い違うという事態が発生したものの、結局最終的には師の解答の方が正解であった、という伝説を残したらしい。
- ご存知の通り夏期、冬期の講座は人気があり過ぎてすぐに埋まるため、なかなか取ることが出ない。
- 2007年センター国語第2問「送り火」(絹代さんの話)をその年の『CP現代文』で的中させたことでも知られる。
- 京大現代文の解答速報を作成している。
- かなりコテコテな関西弁(京都弁?神戸弁?)で喋る。
- サテネット講座では無理に標準語にしようと緊張しているのか話し方がオネエぽくなる。
- 見た目は髭を剃った碇ゲンドウ。GACKTにも似ている。
- 見た目はたいへんダンディーであられるが、以前は太っておられたそうな。信じられん。
- 十数年前まではヘビースモーカーだったらしい。(周囲に迷惑がかかるため現在は禁煙している。)これまた信じられない。
- 名前もかっこいい。響きも字面もかっこいい。
- 意外とゲーマー。そして天然。
- 読みたい本は海外の文学(原文)や哲学の専門書だとか。忙しくて中々読めないらしいが。
- 非常に人道的な方で、授業で扱う随想の文章内の差別的な言い回しや、小説の非人道的な表現を見ると嫌悪感を露わにする。
- 仮面ライダーOOO(オーズ)(2010年9月〜2011年8月TV放送。人の欲望という哲学的なテーマを扱った作品なので哲学科出身の師も興味があったのだろうか・・・?)の劇場版を映画館まで見に行くほど仮面ライダー好き。
- ウルトラマンも好き。
- ゲゲゲの鬼太郎も好き。
- これら以外のアニメやマンガに対しても好きなのか詳しく、昭和に多かった熱血マンガの例として「巨人の星」や「あしたのジョー」を挙げて、それに対して今よくある天才型のキャラが多く出るマンガの例として黒子のバスケを挙げたりする。
- 「なんやのキセキの世代って(笑)」
- 悲劇では突然大事件が起こることを「ナウシカみたいやね」と言っていた。
- 「鉄腕アトム」が具体例に登場する評論で、アトムを作ったのはお茶の水博士ではなく天馬博士だと筆者の間違いを指摘した事もある。
- 旧約聖書の創世記について語る時に「これ以上詳しいことを知りたかったらエヴァでも見といてください。」と言っていたことからエヴァンゲリオンも知っている模様。
- 但し(一般的な)ラノベに対しては「(内容が)分かり易かったらええんと違うやん、(読者と)共感出来ればええんと違うやん。」と小説家は言葉の芸術家だとする師の視点から批判的である。
- 上記した通り、「小説家は言葉の芸術家であり、小説は言葉の芸術」と捉えており、小説内の表現を大事にするようよく言う。
- 陶芸も好きで、大学時代にはバイト代をはたいてまで〇万円する陶器の画集を買っていたほど。ピカソの陶器が好きなのだそう。
- 表三郎先生の批判に批判する。
- でも最近は竹岡広信先生にも否定的。
- 「どんな科目もそうやけどね、一人で参考書何十冊も出してる人いるでしょ。あんなん有りえへんやん。何でそんなんが出来るの?そんなん中身がインチキやからに決まってるやん。」
- とは言いつつ、竹岡広信先生に発売前の自著をプレゼントする。
- 生徒に対しても「入試に出る評論や小説を読まないといけないから読みたい本が読めない」と嘆きながらもどの文章が試験に出そうかを調べてくれている。
- 要するにツンデレである。
- 反証されることで発展するのが科学の本質なので「なんとか細胞は、あります!」とか言っていた小保方氏は科学者失格だと批判していた。
- 猫のリリーちゃんを飼っている。
- 例えに猫を使ったり、サインや激励メッセージに猫の絵を描くほどの猫好き。彼女は猫だ。
- 「リリーちゃんは猫であるが、リリーちゃんが猫なのではない。」
- 現政権に批判的な立場をとる講師の1人であるが、同時に現状に声を上げない国民のあり様にも否定的な態度をとる。「日本人っていつも思うんだけどね、安倍首相以外がいいとは思うんだけど、他にマシなのがおらん、とかね、言うやん、ね。有る意味正しいとは思うよ。実際に見渡したらそう見えるからね。だけど、それって言うのは誰か偉い人、ちゃんとした人が居ないと政治ができないって言ってるのと一緒でしょ。情けない。」
- 時々キツいながらも良いことを言う。詳細は語録を参照。
- 2016年度の神戸校における夏期講習の3日目において、突如、杖をついた姿で登場した。前日の3限にあった『夏のセンター現代文』の授業時にはすでに足を痛めたような素振りをしていた。
- おそらく足に何らかの異常があった模様。
- 登壇した際は教室の空気が一瞬凍りついたほど生徒は驚いたが、師は「色んなことがありますよね(苦笑)」とおっしゃるだけであった。
ホームページ
- 未完成ではあるが2019年度より自身のホームページを開設した。完全版は2020年度の開設を目指しておられる。
- 読解法・解答法のプリントのPDFや、表現の説明に関するプリントのPDF、東大や京大など難関大の現代文解答集などがアップされている。
- 師曰く、「まだまだ全部はできてへんけど、今使えるもんはどんどん使って欲しいからね、また見といてください。」「今上がってるんは、共通テストとBenesseの悪口だけです。」
監修教材
- いずれも師本人が関西独自テキストの監修を務めている。
- リベラルな立ち位置から批判的目線で文章に触れる。
- 設問研究を終えた後に行う、豊富な知識に裏打ちされた本文解説は圧巻である。
- 師本人が監修。難問を使ってセンター対策と記述対策を同時に行う。
- 師の担当講座はコンスタントに締め切りになる。全国で最も早く締め切りが出る講座の一つ。
- 師が現代文の監修を行う、関西独自の東大対策講座。
- 超人気講座。一部の作問も担当。
- 毎年、作問にも携わっている。
- 2019年度のCPの評論、2018年度のCPの小説は師が作成したものである。
- 監修も師が務めている。
語録
- 「はい、じゃあ始めます。」
- 授業を始める時。この時のイントネーションが独特である。「始めます。」としか言わないこともある
- 「センターで時間が足りなかった人に限って、『先漢文からやっとけば良かった』とか言うねん。違うやん!」
- 初回授業等にて。
- 「ここ寝るとこちゃうよ!」
- 「授業するとこやよ!」
- 「寝るんやったら授業出んといて!」
- 「寝てて受かる大学なんてありませんよ!」
- 「将来医療の現場に就くんでしょ?キミら、診察中や手術中にボーッとしたり居眠りしたりするの?人の命を救うんでしょ?しっかりしいよ!」(医系クラスで)
- 授業中に寝ている生徒に対して
- 「もう知らないからね。」
- 寝ている生徒に対する最後通牒。
- 「ね?」
- 授業中やたら連呼する。
- 「自分のしたいことだけが出来る君達って羨ましいわ。そんなこと出来るのって今だけやからな。」
- 「文学部に行くって言うた時に周りからいろいろ言われましたよ。文学部行って何すんねんとか、哲学なんて勉強して役に立つのかとか、法学部行った方がええんちゃうんとかね。まあ実際哲学勉強して何の役にも立ってないけどね(苦笑)別にええやんか、そんなん。それが学問の本質やって」
- 「残り50日間、何もしなかったなんてことがないように。」
- 後期終講にて。