法学部

Mon, 18 May 2020 00:57:43 JST (1433d)
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  • 大学において、(本来は)法律をはじめとする法学を研究・教育する学部。
  • ここでは、法科大学院も合わせて記述する。

概要

  • 私立大学では、法政大学、明治大学、中央大学、関西大学など法律学校を前身とする学校は多い。
    • 早慶上智立教青学・関同立の法学部は、今では難関学部ではあるものの(年によっては最難関)、伝統的には看板学部ではなかった。
    • 中央法は早慶並みの難関であるが、法政、明治、関大の法学部は、伝統を考えると狙い目ではある。
  • 国立大学の法学部は、1980年代に入るまで、旧帝大7+一橋大神戸大の9大学にしかなかった。

学部

  • 従来、法学部出身者の法律関係職への就職率はそれほど高くなく、法学部では(一部の私大を除き)実務教育は重視されていなかった。
    • 逆に言うと、法学部卒は就職の際に潰しが効くと言われ、法学部人気の一因でもあった。
  • 近時は、法科大学院(ロースクール)の設置に伴い、大学院との一貫教育が重視され始め、法学研究より実務教育(司法試験対策)に重点が置かれる傾向にある。
    • 法科大学院が新司法試験で合格実績を上げないと、同大学の法学部でも志願者が集まらないため。

法科大学院

  • 新司法試験受験には、原則として、法科大学院修了が条件となっている。
  • 新司法試験開始当初は、法科大学院が濫立されたが、一部の有名大学(多くは旧司法試験に実績のあった大学)に優秀な学生が集中し、無名大学や地方大学は十分な合格実績を残せなかった。
    • 合格者は東大・京大・早慶中の5校に集中している。
    • その結果、志願者が激減し、法科大学院を廃止してしまった大学も多い。
    • 一方で、一橋大学神戸大学など(法学部が看板学部ではないにも関わらず)、新司法試験になってから、さらに実績を伸ばした大学(法科大学院)も存在する。
  • 後述の「法曹コース」で飛び級が認められたとは言え、新司法試験受験には最低でも5年かかるので、それなりに覚悟が必要。
    • 修了後3年以内に合格しないと受験資格が消失し、年齢的にも一般的な就職は難しく、いわゆる潰しが効かなくなる。
  • なお、従来の大学院法学研究科と法科大学院は全くの別物である。
    • 法学研究科は法学研究が目標で、一部の私大を除き、実務教育はむしろ毛嫌いされていた。

司法試験予備試験

  • 新司法試験の受験資格としては、法科大学院修了以外にも司法試験予備試験というバイパスコースがあり、この予備試験はかなり難しい(合格率3%)反面、受験するための資格や条件はない。
    • そのため、医学部など他学部の学生でも、在学中に予備試験・司法試験に合格するという試験マニア猛者もおり、中には大学1年生で司法試験に受かる怪物もいる。(ただし、これらは例外中の例外だが…)

法曹コース(学部)

  • 一部の大学を除き法科大学院が形骸化し、廃止になりつつある現状を受けてか、文部科学省は、法学部3年時までに必要単位などを取得した学生を対象に、早期卒業して法科大学院の法学既修者コース(2年間)に進める法曹コース」という制度を2020年度に創設予定。
    • 最短5年で司法試験を受験できるようになる(現在は原則として、大学+法科大学院で6~7年かかる)。
    • 文科省は他校と連携すれば法科大学院がない大学でも法曹コース設置を認める方針のため、法科大学院が廃止された地方大学も法曹コースを設置予定。
      • 神戸大学法科大学院
        鹿児島大学新潟大学熊本大学
      • 九州大学法科大学院
        鹿児島大学(予定)、熊本大学(予定)。
      • 琉球大学法科大学院
        鹿児島大学(予定)。
      • 早稲田大学法科大学院
        熊本大学(予定)。
      • 中央大学法科大学院
        鹿児島大学、熊本大学(予定)。

※2020年度から2年次に設置予定で、2019年度入学生から対象となるため、司法試験受験予定の法学部受験生は志望校の設置予定を要確認。

一橋大学でも、法科大学院教育に接合した「法曹コース」(仮称)を設置し、早ければ2020年度の学部2年生からコース選択ができるよう検討を行っている。

※協定先の法科大学院への進学は、「特別選抜枠」で学部成績等で選抜される。
※法曹コースの学生が法科大学院の「一般選抜」を受験することを妨げるものではない。

  • 法曹コースに関しては、1年短縮されるくらいでは、予備試験に比べて魅力に乏しいという批判もある。