古大工晴彦 のバックアップ(No.2)


古大工晴彦(こだいくはるひこ)は駿台予備学校物理科講師。大阪校上本町校千里中央校神戸校福岡校に出講。

経歴

授業

  • 「ほいっ、始めます〜」(小走りで入場)
  • 授業は非常にテンポ良く進み、盲点やポイントを次々に指摘していく。雑談も多めである。
    • 要項解説は、物理学の体系を意識して理論立てて説明するスタイルではない。単元毎に要点を手際良く拾っていくスタイルであり、重たい理論はあまり入れてこない。
    • 演習問題の解説も、じっくりと頭を働かせながら数学的にしっかりと解析していくスタイルではない。ポイントを押さえながらサラっと解説し、的確な口頭説明を一行一行挟む感じのスタイルである。
    • 全体的に、雑談が結構入ってくる。内容は科学的な小話、物理学の発展の歴史、物理の勉強法、他の書籍や教え方への批判など様々である。為になる話が多く、師の授業のクォリティを支えている。
  • 解説の内容に少々クセがあるか。
    • ファラデーの法則をかなり丁寧に解説する。
    • 気体が外部から仕事をされる、V=RIだから電流は電圧に比例する、など受験生が「間違って覚えがち」なことをよく批判する。(師曰く、実際は気体が仕事をされるのではなく気体が外部に負の仕事をする、電流が電圧に比例するからV=RIであるとのこと)。
    • その他にも、市販の書籍や教え方など様々なことを批判する。そのため、初めて聞くと逆に混乱してしまうことが多い。
  • コンデンサーの解法は独特(通常は電荷、あるいは電位に対して立式を行うが、師は電場に対して立式を行う)である。
    • 「誘電体のある部分とない部分を分けて直列とか並列とかってみなすって、それおかしいと思わん?」
  • あくまで典型的なパターンにしか当てはまらない公式を覚えるより、どんな問題にでも対応出来る解法を紹介し、強く推す。
    • 「どの場合に使えるかちゃんと分かってるなら使ってええんちゃう?ただしちょっとでもいじられるとドボンやけどね。」
    • なお、これは後述の森下寛之先生も同様の方針であり、コンデンサーをガウスの法則を実感しやすい具体例と捉えるなら至極当然である。
    • 非常に有用であり解くスピードも格段に上がるが、直前期で初めて師の講座を取る人は混乱する恐れがあるため注意。
    • 通期の『Part2』で師に習っている人は『電磁気特講』などのコンデンサーを扱う講習は、混乱しないためにも多少遠征してでも師の担当で受けた方が良い。なお、師の『電磁気特講』は非常に評価が高い。
  • また物理学の歴史について詳しく、時々その歴史についての雑談をする。特に師の語る原子物理の歴史は非常に面白い。
  • 時間配分は通期でも講習でもかなりルーズ。終講日はかなり駆け足になり、殆ど問題の解答のみ(しかも雑になる)になる事も。
    • それにも関わらずあまり補講をやりたがらず、最悪プリント(ラクガキ手書きでとても汚い)配布で済ます(休講を出した時やよく出るコンデンサーの問題の解法の解説をする時などどうしてもやらなければならない時はやるが)。
  • 意外に繊細なのかもしれないが、マイクの付ける位置をよく気にしておられる。腹の前に付けるので音があまり拾われていない。
  • 授業内容・説明すべきことを殆ど記憶しており、テキストに計算結果を軽くメモする程度で授業に臨む(場合によっては電卓を持って来てその場で計算することも)。
    • 流石に重たい問題ではメモを持たれることもある(特に原子分野)。
  • テスト演習系の授業では開始3分後くらいに教室に来て、どんな問題か(難度や時間の掛かる度合い)と「計算用紙は自前の紙でも良いんで好きに使ってくださいね。」と必ず言いに来られる。
  • 毎年、阪大の出題範囲の個人的な予想をされ、その範囲については「意識的に授業で何度も確認してる」が、満面の笑みで「いや当たらないですよ。アテにしないでくださいね。」までがお決まり。
    • 2014年の力学:2物体の運動だけは当たったらしい。
  • 物理の基礎に忠実な授業をする一方で、微積を使った解き方を嫌うしない。というよりも、よく言われる「微積」の「積」は「不定積分」を指しているため、不定積分を用いなければならない交流回路や電気振動、証明に微積が必要なポアソンの法則などの証明の解説をする時のみ微積(不定積分)を使う。
    • つまり、不定積分の出番はごく少数に限られていると捉えている。
  • 一方で師は「定積分」は物理でよく出て来るとしており、微小部分の足し合わせ(つまり区分求積)、グラフを用いて解く際には「定積分」する。
    • 師が好んで使うグラフの面積から答えを求める積分(定積分)は、三角形の面積などが多いため、実際に∫を含む「定積分」の式を解くことはほぼ無い。
    • 但し、微積で解かざるを得ない問題(∫の式でしか解けない時の面積)は∫を含んだ「定積分」の式を用いる。
    • また、要項を説明する際は微分を用いて速度や加速度を出す。
  • 生徒に対しても問題を解く上で微積を使うことを推奨していない。
    • これは、微積の式に頼り過ぎて「何故その式を用いたか」、「その式の意味は何か」が分からなくなってしまわないようにするためである。
    • なのでSS・MSクラスの上位層や高校時代に微積物理で授業を受けていた生徒、非常に物理ができる生徒の中にはアンチもいる。初めて受講する際は要注意。
  • 大学内容の発展的な物理に至っては「大学入るまで我慢しろ」と一蹴する(前述した通り物理の基礎に忠実なので概略だけはサラッと説明してくれるが、踏み込まずに流してしまう)。
  • 微積よりもまず問題の状況把握や、運動の予測などを重視する。力学で変位を求めたり単振動の変位や速度を把握するのにグラフを好んで使う。
    • 数学や物理にある「楽に解ける解法」(いわゆる裏ワザ)を嫌い、少し面倒臭くても汎用性のある解法を重視する。
  • 「ウィッ、そろそろ問題戻りまヒョ〜」
  • 巷にある教材や一般的な解法から数学的考察を用いた解析的な授業、物理が出来ない(あるいは師が好まない解法を使う)生徒、それ以前のそもそもの勉強法、問題集や過去問の扱い方まで、自身と異なる方法を毎回の授業で度々批判する
    • 批判の多さは英語科の表三郎先生、竹岡広信先生レベル。授業が100分あれば103分は毒を吐く。生徒に対しても毒を吐くので、不快感を覚える生徒もいる。要するに物理界の竹岡
    • そのため、(師と異なる)自分の方法が確立されている生徒をはじめ、一部の生徒には混乱が生じるようで、イマイチに感じる人も一定数いる模様。
    • ただし批判は筋が通っていることもしばしば。物理の本質に迫るものがあるので、逆にこれを聞いて今までの知識が整理されたり理解が深まり感動する者もいる。
  • 正しさよりも経験則やテクニックを好む下川和大先生に対しては『重心系~秘められた魔力~』の講習をはじめ全体的に批判する。その際は「下川君」と呼ぶ。
    • 時々物理の先生がよくやる解法にまでも一蹴することも。
    • 一流講師が必ずしも全ての人に合うとは限らないが、特に師は良くも悪くも癖が非常に強いため、人によって合う・合わないが激しいのは否めない。全くの情報無しで冬期講習直前講習で初めて師の授業を受けるのは危険かも知れない。
  • 人間性にはかなり難がある。笑顔で毒舌を放つ。更に言葉遣いが悪く、あまり宜しくない言葉を生徒に対して発する事も茶飯事。
    • 口癖は「ダメダメですわー(手を胸の前で振りながら)」「ヤバいっすよねー(手を頭の横で振りながら)」「もういっぺんよー頭揉んでみ」「揉んでみ」「ごもっとも(やわ)」「まだまだ半人前ですわ」「(基礎の理解が出来ていない人に向かって)『死ね!』って言わなくても勝手に死んでいきますわ(笑)」「もうその時点でボタン掛け違えてる」「馬鹿にしてるんじゃない、馬鹿や」「その時点でアンタは負け組です」「そんなんやったら志望校下げり」
  • 生徒目線でよくある間違え方を実際にしてみながら説明したりする。その時は「死ねですわ」、「カスですわ」、「アホボケカス」など、けちょんけちょんに貶す。
    • しかしこの際、何故間違っているのか、どうすれば改善されるのかを言わない(=貶すだけで終わる)ことも多いため、この事に批判の目を向ける者もいる。(1度はどこかで話す)
  • やや過激な発言から生徒と講師の両方の間で好き嫌いがはっきり分かれる。師はそういうキャラだと割り切った方が良いかも知れない。
    • 校舎・クラスによっても師の評価は全く異なるようで、もぐりが多発するクラスから授業を切る生徒が目立つクラスまで様々である。
    • 授業中の居眠りや内職には意外と寛容なため、後ろで内職する生徒も多いとか・・・。
  • 自身の出身である理学部の宣伝を行い、その際医学部をdisる事がある。
    • 医系クラスではこれが特に顕著(MSクラスの生徒を他のクラスでdisる事もある)なため、後述の方針も含めてMSクラスには師のアンチが多いと言われている。
  • 大阪南校では大阪校以上に人気があり、通期の必修授業を切ってまでもぐりに来る人もいる。
  • 2014年度は実質上「出ない」とされた(と師が言っていた)通期の原子物理の範囲も師の担当だから講義に出る、という人が多数いた(しかしその年の京大入試で原子物理が出てしまった)。
  • どの分野の授業も評価が高く、特に中〜上級者からの支持が厚い。
    • 中〜上級者が最も満足する授業になっているように思われる。師は受験生の理解の盲点や間違えやすいポイントをよく把握しており、それらを次々と確認していくスタイルの授業を行うからである。
    • 超上級者(微積を積極的に使う者)は師の授業よりも、森下寛之先生や苑田尚之先生のような大学で学ぶレベルの物理学的な授業を支持する傾向がある。師は微積を多用したり、大学の内容に踏み込んだりはしない。
    • 初級者からの支持もやや得られにくいと思われる。師の授業は極めてわかりやすいが、テンポがやや速く、解説内容に少々クセがある場面もあり、また他の書籍や教え方への批判が多いためである。
      • 物理が苦手な人が師の授業を受ける→汎用性の高い解法を学ぶ→自分で練習する→その解法を使っている問題集はない→師に質問に行く→質問のレベルが低く師の対応も微妙→質問に行くのが嫌になる→師の解法はわからないまま→物理ができないまま
        というパターンもあるので注意。なお、全ての分野で師が独特というわけではない。逆にモノにできれば物理が大きく飛躍できる。
  • 授業は完全板書スタイル。
    • プリントを作るのは嫌だそうだ。ほとんどの講師がプリントで済ますような問題でも、師は板書解説を行う。ただし、終講間際で解説が間に合わない部分はプリントで済ます。
  • 板書はカラフルかつ高速。非常に大変である。
    • 白をベースに、黄、赤、橙、緑、青の5色を使う。師は「重力は黄色、抗力は赤色」いうように色を固定して使っている。
    • 物凄いスピードで字を書くため、字が小さく、かつ筆圧が薄く(サラッと手で擦れば確実に消えるレベル)、あまり丁寧でない。"sinθ"は"s θ"と"s"しか書かない。
      • 現役生向けのオンデマンド欠席フォローシステムの映像では字が潰れてしまっている。師の授業は極力欠席しない方が良い。
    • 口頭の説明が多く、それらも合わせると板書量はとても多くなる。しかし、盲点やポイントを押さえた授業スタイルゆえ、とても詳しくわかりやすいノートが完成する。
  • 口頭で重要なことをよく言う。
    • 師が口頭で言ったことや「書かなくて良いっすよ」と言う部分は、解法の基礎となる考え方が中心である。そこもメモしていると復習が捗るので、メモしておく方が良い。
    • 「ただ模範解答写してるだけやったら市販の問題集と何も変わらんから、必要なことは各自でコメント付けといてな。」と本人が言うのでメモはちゃんと取ろう。生徒にメモを取らせるという習慣を付けさせたいようだ。復習もしやすくなる。
    • 生徒が誰もメモを取らずに授業を聞いていると、稀にお怒りになることがある。「なぁ君らぼーっと聞いててええの?今年の3月に痛い目に遭うたんやろ?また繰り返したいんかぁ」(2020年神戸校MBクラスにて)

担当授業

通期

2020年度

《出講表》

曜日校舎
月曜日福岡校
火曜日大阪校上本町校
水曜日大阪校千里中央校
木曜日神戸校
金曜日大阪南校上本町校
土曜日

《担当授業》

春期講習

2019年度

期間1限2限3限
A期間
B期間
C期間
D期間
E期間

夏期講習

2019年度

冬期講習

2019年度

直前Ⅰ期

直前ⅠⅠ期

2019年度

その他

2019年度

人物

  • 一浪で阪大理学部物理学科出身。
  • よく森下寛之先生(『物理S』や東大青本の執筆者)が登場するが、その際は「(東京の)森下君」と呼ぶ。
    • 2014年度の『物理S』テキストのPart分け変更について、熱力学が前期と後期に跨り、担当Partも跨ったことについて森下寛之先生をボロカスに批判していた。
    • 2019年度の『物理S』テキストのPart1の熱力学の問題についても批判していた。
      • 森下、この問題はアカンわ。」
    • また、前期『Part2』における、衝突(二体問題とか)や運動量保存、エネルギー保存辺りの§の並び方にも不満を持っているようである。そのため、問題の順序を変えて解説する時がある。
      • しかし問題の順序を変えて解説するのは『物理S』に限らず、師が作成している『電磁気特講』でも順序を入れ替えて解説する時もある。
    • 物理S』のテキストの問題が不親切であることについて(例えば物理用語の不備不足に対して改定を行わないことなど)、森下寛之先生に会う度に文句を言うが、いつも森下寛之先生に「古大工君それも説明しといて」と一蹴されることをよく愚痴っている。
    • ただ、森下寛之先生も師のことを批判している。起こっている物理現象を見る時に微積分を用いる用いないの違いについてらしい。
    • 一方で、『物理S』の講義用問題の選定に対しては一定の評価をしている。むしろ「分かっていないことが浮き彫りになる問題が多い。」「一応しっかりしたテキスト。」など、他の物事への口撃に加えると幾分も緩やか(ただ、悪い部分に足してはしっかり叩く)。
      • 特に師にとって授業をしやすい設定の問題が掲載されていると、森下寛之先生に対し「ありがとう!」と感謝の言葉を述べていた。要するにツンデレである。
    • 森下寛之先生については「別に変なことや噓教えてるわけじゃないし、良い先生やとは思いますよ。でもね、・・・(以下批判)」と言っているので、一定の評価は持った上で指導方針の違いでぶつかっている感じかも。
    • また、『物理S』内にある論述問題の模範解答についても、「後ろの解答見といて下さい。キチンと書けてるんで、これしっかり頭に入れてくれれば良いです。」と高評価を下していた。
    • 因みに、山本義隆先生(関東の物理科の大御所)に対しては流石に「山本義隆さん」とさん付けである。敬意は払っておられるようだが、山本義隆先生のこともあまり良く思っていないらしい。森下寛之先生への批判と比べればやや穏やかな口調ではあるものの授業中に批判する事もある。
  • 師が解説している時に生徒の反応が微妙だと感じると急に、「お前ら復習が足らんねん!」と激怒し、酷い時には「死ね!」とまでおっしゃる。
  • 授業中も「授業で言ったことそのまま質問して来たら口捻ったる!」など妙に耳障りなことを言う。
    • 現在では性格が丸くなったのか、「授業の説明聞いて分からんかったら聞きにおいで、徹底的に教えたるから。」と寛容な面持ちである。
  • 雑談が結構入ってくる。する時は大抵面白い。
    • 講習では雑談をよくするため時間が押してくることも。師曰く、この雑談は生徒がメモを取る時間を稼いであげるためのものらしいと言い訳している

語録

  • 「皆さんの板書の時間つなぎに喋るで。あの〜、聞き入らんといてな(笑)」
  • 言葉遣いさえ気を配ればもっと人気は出るだろう。勿体ない気もするがそれも師の良さである。
  • 「ほい、今日はここまでぃっ!」

テキスト編集