英語4技能試験

Mon, 18 May 2020 00:42:34 JST (1432d)
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概要

  • 2021年度(共通テストとしては2022年度)より施行される予定だった大学入学共通テストに併用される英語の民間試験の総称。
    • 言語を使う上で必要なReading(読む;以下Rと表記), Listening(聞く;以下Lと表記), Writing(書く;以下Wと表記), Speaking(話す;以下Sと表記)の4つの技能を測定する試験なのでこの名前が付いた。
  • 具体的に用いることができる民間試験はTEAP、TEAP CBT、ケンブリッジ英検、英検、IELTS、TOEFL iBT、GTECの7種類。
  • 高3時以降の4月〜12月に受けた2回の結果を利用でき、これらの民間試験の成績を「大学入試英語成績提供システム」に登録することで成績を申請することとなる。
  • 公式サイトに詳しい事項が載っているので、どのように4技能試験の点数を反映していくか見ておくのが良い。
  • 2019年度現在、この制度を巡って教育界ではかなりの混乱が生じている。
    • 民間試験と大学英語は全く別物だから機能しないのではないか」「そもそも民間企業を参入させること自体如何なものか」「まだ未決定事項や懸念事項があるのに強行するのか」「居住地域によっては受験会場が遠い場所しかない等格差が生じるのではないか」「家庭の収入によって何度でも受験できる子とそうでない子が出てくるがこれはどうなのか」といった反対の声が高校や大学を中心に数多く上がっているのが実のところ。
    • 駿台の講師陣も多くが批判的。
    • 当初は推奨派だった竹岡広信先生も、上記の問題点の解決策がいつまで経っても決まらないことを受けてか、延長・反対派に回ってしまった。
      • 導入延期の報道が流れた日には、「導入延期になったんやって。いやー本当に良かったね〜。スカッとするわ」と仰っていた。
  • 本来は共通テスト開始時の2020年度(共通テストとしては2021年度)から開始する予定だった。しかし、前述の通り不備が多数指摘されていた事に加え萩生田文部科学大臣が失言。本格的に批判が相次ぎ、2019年11月1日に初年度の2020年度においては4技能試験を撤回する方針となった。
  • また同日、2024年度(共通テスト実施時としては2025年度)の導入を目途に調整する見通しとなった。

4技能試験一覧

現在用いることができる試験一覧。自身の身の丈に合ったものを選ぼう。

TEAP

  • 上智大学と日本英語検定協会が共同開発した民間試験。実施団体は日本英語検定協会。
  • "Test of English for Academic Purposes"の略。
  • R,L,W,S各100点の合計400点満点で計算する。
  • 年3回実施される。(後述するCBTも同様)
  • 受験費用は紙形式のこちらもCBTの方も一律で15000円なのでやや高め。
  • CEFRがA2〜C1相当であり、4技能試験内ではそれほど難しくもなく、スコア形式なので拘らないならオススメ。
  • 上智大学青山学院大学ではTEAP利用入試を行っているので、そちらを志願する場合は必然的にこちらを受けることになる。

TEAP CBT

  • CBTとは、"Computer Based Testing"のことで、パソコンを使って行う試験のことである。
    • 成績表などもパソコンを通じて送られることとなる。
  • コンピューター試験ゆえSpeakingで面接がないので、面接が苦手な人にはおすすめ。

ケンブリッジ英検

  • イギリスのケンブリッジ大学の非営利組織であるケンブリッジ大学英語検定機構(Cambridge Assesment English)が実施している民間試験
  • 正式には「ケンブリッジ英語検定」(Cambridge English Qualifications)と呼ばれる。
  • CEFRのレベルごとに試験があるのが特徴で、C2レベル相当のものを受けられる数少ない4技能試験
    • 具体的には「A2 Key」、「A2 Key for Schools」、「B1 Preliminary」、「B1 Preliminary for Schools」、「B2 First」、「B2 First for Schools」、「C1 Advanced」、「C2 Proficiency」の8種類。
  • CBT形式では施行されず、全て紙と面接での形式となる。
  • 年2,3回しか施行されず、合否判定があるため受けるときは受けるレベルをよく考えてから受けること。
    • さらに試験レベルだけでなく受験地域によっても受験費用が異なる上に、9720円〜25380円とかなり高い。
    • その上受験会場数も4技能試験の中ではかなり少ないので地方在住者には厳しい。
  • 国際通用性が高い資格なので留学を視野に入れている生徒は受けてみるのもあり。

英検

  • 皆さんご存知であろう日本英語検定協会が実施する民間試験
  • 正式名称は「実用英語技能検定」。
  • 受験形式はペーパー形式とCBT形式の2通りある。
  • 4技能試験の中では日本で最も受験者数が多い。
  • CEFRで換算すると3級がA1、準2級がA2、2級がB1、準1級がB2、1級がC1相当である。
  • 対策書が多く発行されており、最も対策がとりやすい試験と言える。(なお、最も参考書が充実しているのはTOEICである。)
    • ただし準1級以上は難しく語彙レベルも高いのでかなりの対策が必要でもある。
    • また、一次試験に受からないと二次試験を受けることができないのもネック。
  • 従来型は試験回数は春と秋の2回であるものの、試験費用が2級で6500円、1級でも9500円と安いのもオススメ。試験会場数も最も多いので地方在住者にも優しい。
  • その上共通テスト実施に合わせて新形式も組んでおり、従来型だけでなく準1級以下を対象にして毎月行うCBT形式とS-CBT形式、年2回2日間で行う紙形式のS-Interview(一次試験に受からなくても翌日に二次試験を受けられる形式。)も実施予定。
  • また、採用大学数も最も多い。
  • 以上から留学など拘る要素がなければオススメな試験の一つである。

IELTS

  • ブリティッシュ・カウンシル、IDP: IELTS Australia、ケンブリッジ大学英語検定機構の3団体が共同で実施する民間試験
  • "International English Language Testing System"の略。
  • 試験形式は紙形式のみで、受験費用が25380円とかなり高い。
    • 反面試験回数が40回とめちゃくちゃ多いが、全会場で40回実施しているというのではないので注意。
  • 海外留学や英語圏移住予定者を対象にした試験であり、4技能試験の中でもトップクラスに難易度が高い。
    • CEFR換算でB1〜C2レベルである。
  • さらに他の試験がアメリカ英語で行われるのに対して、IELTSはイギリス英語で行われるのでそちらの対策も必要である。(特にリスニング)
  • 留学志望者、将来海外で勤務・在住する夢がある者は受けてみても良いだろう。

TOEFL iBT

  • アメリカの非営利組織であるETS(Educational Testing Service)が作成した、英語を母語としない人のための英語民間試験
    • 日本での実施団体は国際教育交換協議会(CIEE)。
  • 正式名称は"Test of English as a Foreign Language"。
  • 全てCBT形式で行われ、実施回数は年40回ほどと多いが全会場で全ての回数実施しているというわけではないので注意。
  • 費用も235USドルと高い。
    • しかもドル払いなので相場の影響を受ける。
  • 留学生向けの試験のため難易度もIELTSほどではないが高く、CEFR B1〜C1相当である。
  • IELTSと同様、海外留学希望者は受けておくと将来役に立つ。

GTEC

  • ベネッセコーポレーションが実施する民間試験
  • "Global Test of English Communication"の略である。
  • 試験レベルは低い方から順にCore,Basic,Advanced,CBTの4ランクあり、それぞれ最高点数でCEFR A2、B1、B2、C1相当である。
    • このうちCBTを除く3種は紙・タブレット形式であり、CBTのみ文字通りCBT形式である。
  • 年3回行われる。費用面がCBT以外が5040円、CBTが1万円程度ととても安いのがGOOD。
  • また日本の試験のためめちゃくちゃ難しいというわけでもなく、拘らないならオススメの試験の一つ。