概要
- 8月と11月の2回実施。それぞれ2日連続で行う。
- 8月開催のものは全国の東大模試で唯一、実際の試験時間で行われる模試である。
- 関東の講師陣が作成している。東大入試詳解シリーズ執筆陣とほぼ同じと考えて良いだろう。
- 2019年度より、Z会と共催に。これに伴い、東大オープンは河合塾の単独開催となった。
- 河合塾実施のオープン模試と比べて難易度が高く、復習する価値は高い(特に理系科目)。
科目別の特徴
国語
- 現代文の評判は良くない。
- 中野芳樹師は「あんなもん復習せんでよろしい」とまでおっしゃる。
- 東大実戦に限る話ではなく、現代文の模試全般についてそうおっしゃるのだが、特に東大実戦については強くおっしゃっている。
- 詳しくは『東大現代文』を参照。
- 古文漢文は良質と言われている。
- 前田春彦師は、出題された素材文には違和感を示しながらも、復習する価値があるとおっしゃる。
数学
- 数学も良質と言われている。
- 理系では、たまに、難易度調整をミスったかのようなとんでもなく難しい問題が出題される。
- 文系ではそれほど難しい問題は出ず、基本がしっかりしていれば45点くらいは取れる作りになっている。
- 2018年度夏の文系数学はあまりにも簡単であったため、『高3エクストラ英語α』の受講生の多くが70点を超えていた。
- 2019年度は、大阪校にて、八木裕一師による第1回の解説授業が実施された。
- これとは別に、森茂樹師の無料解説講義映像がZ会のページで配信されていた。
日本史
- 福井紳一師らが作成。
- 関西の日本史科講師陣からの評判は悪い。
- 鈴木和裕師は、過去問研究を優先するように仰っる。
- 塚原哲也師は、関東での授業においても問題文や設問の不備を指摘する。
世界史
- 世界史には賛否両論がみられる。
- 肯定的意見は以下のとおり。
- 第1問は何度か的中しており、関東の駿台世界史科講師陣の研究の深さが窺い知れる。
- このことについては、渡辺幹雄師いわく、「東大の先生とフィーリングが合った」。
- 関東の世界史科は東大プレ世界史でも第1問を的中させている。
- 渡辺師は、的中を期待するのではなく、過去問、実戦模試や講習テキストを研究して幅広い網を張っておき本番に備える姿勢が大切だと強くおっしゃる。何が出ても大丈夫という状態でなければ、東大合格は難しいだろう。
- 一方で、関西の世界史科講師陣からの評判は悪い。
- 中谷臣師は自身のブログで実戦模試や河合塾のオープン模試の質の悪さを痛烈に批判し、過去問の研究を第一にするようおっしゃっている。
- 川西勝美師は、2019年度秋の第1問でBrexit(イギリスのEU離脱)を指定語句としていたことについて、「先行き不透明な未来の出来事について出題するのは歴史の試験としておかしい」と批判していた。
地理
- 過去問と比べると知識偏重である。
- 過去問のような精巧さが見られず、過去問特有の「問いの連動」も見当たらない。
- 解答例も評判があまり良くない。
- 東大が求めているであろう多角的・多面的考察を踏まえた解答とは、およそ言い難い。
- このこともあってか、難易度は本番の試験よりも高めである。
- 2019年度の秋は、特に難しかった。3号館での最高得点は35点だった模様。
- 宇野仙師は「過去問の研究で東大特有の入試問題に慣れるように」とおっしゃる。
物理
化学
生物
地学
英語
- 最新年度の出題形式をそのまま踏襲する河合塾のオープン模試と比べると問題の質がよいため、評判は良い。
- 竹岡広信師は「傾向と対策を追いかけたり、解法を体系化して覚えたりすることは、東大が最も嫌っていることだ」として、模擬問題全般をボロカスに批判している。
- 模擬問題の作り込みの甘さにも、否定的な意見を述べていらっしゃる。
- 「君らさ、もう、オープン実戦なんかボイコットしたったらええねん」(高3エクストラ英語αにて)
- 英作文の答えは、高3エクストラ英語αの作文添削を担当するネイティブが作ったものを配り直していただける。
- 特別な知識を必要とせず真の実力を測れる過去問の質の高さを踏まえて、「過去問を使って学力を伸ばすように」と常々おっしゃる。