入試数学盲点A のバックアップ(No.1)


小林隆章のオリジナル講座

設置校舎

テキストについて

  • 監修は小林隆章師。毎年改訂されている。
  • 大きく分けて3部構成。
    • 必要十分条件
    • 同値変形の意義
    • 写像の値域
  • テキストはすべて最初から物語のようにあらすじがあり、前半では抽象的な議論がほとんど。後半はそれを応用し写像(軌跡など)の"理解"を目指す。
    • 故に前半を寝て過ごす人がいるようだが、その真意は後半の実践的な問題で発揮する。1日目2日目で脱落することのないように。
  • テキストの前書きに書いてある通り、〈原理〉と記載されている問題は解答作成不要。しかし、その他の問題は予習段階でやっておくべき。

授業について

  • レベル:6-8.5
    • 基本的な手法・定石は身に付いている人向け。決して易しい講座ではない。
    • パンフレットの講座レベルは低すぎる。人によっては盲点Bやエクスプレスよりも難しいと感じる人もいる。
    • 基本的な手法が身についてない場合は、前期の復習に徹するか、他の総合講座などで典型手法を身につけるべき。
  • 2021年度からHGになった。それでも延長する。
    • 講習案内に「延長に耐えられる人に受講して欲しい」と書こうとしたところ、教務に止められHGになったらしい。
  • 講座名通り、わかったつもりになっているが実際は理解出来てない人が多い「盲点」を扱う講座である。
    • あくまで盲点を扱う講座であり、早慶以上の難関大志望の生徒以外、あるいは大学で数学を専門に勉強したい人や数学を武器にしたい人以外はおそらく入試でこのレベルまで踏み込む必要性がない。逆に難関大志望の生徒でも多少この分野の理解が曖昧であっても他の教科で数学をカバーできるなら不要かもしれない。
    • 言わずもがな、数学が苦手な人や「数学なんて答えが合ってれば良い」と考えてるような受験生は受講を控えた方が良い。
    • ややレベルが高いものの文系の受講者も十分想定されており、講義では数学Ⅲ範囲の知識には軽く言及するくらいで、解説はすべて文理共通範囲で行われる。最難関志望かつ数学で差をつけたい人にはお勧め。
      • 補題には理系用として数学Ⅲが一部入る。
    • 数学の根本的な本質は変わらない。元駿台講師で今は東進講師の長岡恭史師やSEGなどで数学を習っている場合、そこで受ける話と似たものになる。
  • 具体的には、グラフと図形との融合問題や、通常の参考書や問題集では扱う事の無いテーマを扱う。中でも写像や軌跡などの範囲は根本原理から応用発展まで触れる事で、式とその変形の意味を突き詰めて本質を理解する事を目指す。
    • 1日目は必要十分条件、2日目は同値性、3日目は写像の値域の定義、4日目はその問題を主に扱う。
    • 軌跡、写像などの範囲がいまいち掴めないが、本当に分かりたい人や疑問を解消したい人は受講を考えても良いだろう。
    • 問題の出典は東大の文理共通問題などが中心であるが、埼玉大や関西学院大など中堅大学の問題も含まれる。答えらしきものは出せても構造が掴めていなければ時間内に正解にたどり着けない問題や、実は標準的であるが問題文が簡潔で何を問われているか掴めなければ手が出ない問題など、まさに盲点をつく問題が揃っている。
    • 一部の研究問題や参考問題には理系向けのものも含まれ、補助教材なども合わせると極と極線や変換など数3範囲との関連が強い分野も解説されている。
    • 「難しいという声が多いが、ちゃんと授業を聞いて理解すれば授業内容(思考)自体は難しくはない(もちろん一部は言い換えの発想が難しいものもあるが)」という意見もある。
    • そのためこれらの範囲がいまいち掴めないが、本当に分かりたい人や疑問を解消したい人は受講を考えても良いだろう。
  • 普段、数学の問題を解く上で大局的な感覚を持って解くということを身についている人には、講習を通して理解がより一層深くできる。
    • 逆に言えばこういった感覚なしに普段一対一対応で問題を解いている人には、ほぼ無意味な講座。
    • 師曰く通期教材に基礎的事項はおおよそ含まれているので、前期の復習をした上で余裕がある人が通期では扱う事が出来ない範囲の補完として取って欲しいとの事。
      • 前期教材などで必須事項をつぶし込んで、講座で扱うテーマを「盲点」といえるまで追い込めてはじめて関連項目との相乗効果の見込める講座と考えてよい。
      • 数学が得意で、ある程度模試などの結果も出せているレベルの生徒が受講して「わかったつもり」であったことを実感し実りを得る講座であり、受講前から「わかったつもり」である自覚があるレベルの生徒が受けても得るものは少ないだろう。講座名で勘違いしてはならない。
    • とは言え、論理や写像の原理を徹底して確認し、すぐさま得点に直結するというよりは基礎を掘り下げる講座なので、本格的な演習に入る準備という心構えで受講するとよい。早いタームにしか開講されないのはそのためである。
    • 数学が得意ではない人の中には、受けてもコバタカの速く量の多い板書を写すのに精一杯で、きちんと身につかない人が毎年多くいる。自分のレベルに合った講座をとるのが大切である。
      • 実際は廣田睦美師など板書スピードを誇る師の授業を受けていると全く速く感じない。
  • 扱う問題量が多いため、初日に予め毎日15分から20分程度延長すると告知する。
  • 初日にその後の進度が予告される。なお、初日は例年§2の2まで進む。
  • この講座は駿台で最も人気な講座の1つで、多くのタームで締め切られるが、2016年度は一般受付でも取れたようなので、受講したい外部生もあきらめずに検討してみよう。
  • 大学に入った後も役に立たないことはないが、大学入学後参考書のように使えるわけではない。あくまでも受験対策である。
  • 1988年から続くオリジナル講座(当時は二つに分かれていなかった)で、数学IIの円束の問題について本質を理解していない生徒を見て設置したとのこと。
    • BよりもAの方が講座設置時の原理を深めるという姿勢が残されているそう。
    • 元駿台講師の長岡亮介師が開講していた「数学的数学考究」という講座に影響を受けたようで、その講義の内容が元になっている『総合的研究 論理学で学ぶ数学――思考ツールとしてのロジック』(旺文社)が唯一の参考書として推薦されている。実際、盲点Aとこの本は章立ても似ており、共通の問題も数題含まれているほどである。ただし、入試のレベルには盲点Aで十分であり、この参考書は特に意欲的な生徒が復習とさらなる実力向上を目指すのに適しているだろう。この本を読んで理解できる人はこの講座をとる必要は全くない。
      • 長岡亮介師の上記書籍の内容のごく「さわり」を師自身が解説した動画が旺文社のホームページに掲載されている。盲点シリーズを受講しようとしている人にとってはごく平易な内容であるが、講座の内容を知る上では参考になるかも知れない。教材としては秀逸であるので、予備校の授業を取っていない現役生は視聴しておくと良い。→長岡師の映像授業
  • 2021年度からHG講座となりまた映像もあるので関西の生徒も受講することができるようになった。
  • テキストがXSが配当されている人はほぼ必須講座。
  • §2、3で学習してほしかったことが伝わってくる。
  • 数学特講3と同様受講し終わったあと、数学の見方が変わる。
  • 問題の難易度はものすごく難しいとという感じではない。東大の標準レベルのものもあるため、優しいというわけでもないが。
  • しかし、XBが配当されている人は§の問題配列が異なるため、取るのはおすすめできない。
  • 写像関連の問題の復習として、『入試数学の掌握②各論錬磨編』のTheme3をやると、おそらく写像問題でミスを犯すことはないだろう。