過去問 のバックアップ(No.2)
- 実際に入試で出題された問題の事。「模擬問題」と対比してよく言われる。
特徴
- 入試問題は社会的責任が問われやすく、また受験生の学力が適切に測れるように、大人数で長時間かけて作られている。
- 過去問は目を見張るほどに良質なのである(近年は東京一あたりの入試問題の劣化が話題になっているが、一部を除き、やはり良質であることは変わらない。「一部」は青本や講師から情報を得て避ければよい)。東大京大などの受験者は、傾向を追いかけるなどという安っぽい落ちこぼれ受験生のようなことをするのではなく、過去問に取り組むことで大学側の出題意図や問題の背景にある事項・それらを読み解くことで気付くであろう問題の美しさに触れ、それらの研鑽を自らの学力に還元するというハイレベルな営みを心がけよう。
- 一方で、模擬問題の多くは多忙な予備校講師が少人数かつ短期間で作り上げるものなので、あまり質が良くない。傾向と対策を適切に踏まえきれていなかったりする。
- 過去問研究を第一に進めるようおっしゃる講師が多い(というか全員が言っている気がする)。素直に従うべき。
- センター試験の過去問とマーク模試を見比べるとその差は歴然である。
- 傾向と対策の研究や慣れるための演習には「過去問」を、演習量の不足分は「模擬問題」を使うのが普通である。
- とりわけ、センター国語に関しては「過去問のみに絞れ」という講師が駿台はおろか、予備校業界を通して圧倒的に多い。
- しかし、理科基礎などの過去問そのものが少ない科目は「模擬問題」までやっておく方が良い。
- ただし、資格試験とは異なり、過去問がズバリそのまま再出題されることは少ないので、解答を暗記するのではなく、過去問からエッセンスを抽出して応用できるようになることが必要となる。
- この作業は独学では難しいので、多くの受験生が講習会などを利用する。
- 学校にもよるが、出題傾向は変わることもあるので過信は禁物。
- 近年の京大英語などが特に有名な事例である。
- 過去問慣れし過ぎて、本番での急な傾向の変化に対応できず失敗した、という話も時々聞かれる。
- このため、多くの学校については何十年分も過去問を演習してもあまり意味がない。最大でも10年分くらいが目安。
- 上のようにのたまうのは受験エアプ勢である。過去問は目を見張るほどに良質なのである(近年は東京一あたりの入試問題の劣化が話題になっているが、一部を除き、やはり良質であることは変わらない。「一部」は青本や講師から情報を得て避ければよい)。東大京大などの受験者は、傾向を追いかけるなどという安っぽい落ちこぼれ受験生のようなことをするのではなく、過去問に取り組むことで大学側の出題意図や問題の背景にある事項・それらを読み解くことで気付くであろう問題の美しさに触れ、それらの研鑽を自らの学力に還元するというハイレベルな営みを心がけよう。
- 逆に、出題者側が一般には入手しにくい古い過去問から題材を取って再出題することもあるので、全く意味がないわけでもない。
- とはいえ、再出題狙いのために何十年分も過去問をやっても時間と労力が効果に見合わないことが多く、ギャンブル性が高いやり方ではある。この目的に講習会を利用するのも一つの手だろう。
- 過去問の使い方(解くべき量、解き始める時期など)については人によって様々な意見がある。また、ある人にとって効果的な使い方が他の人にもあてはまるとは限らない。「一般的に誰にでもあてはまる最適な使い方」は存在しないと言っても過言ではない。
- あくまで一つの考え方だが、既に実力が完成しかけている浪人生は大量の過去問をガンガンこなすべきであろうし、現役生は直前期まで基礎事項の確認にも時間を割いた方が無難。もちろんこれはその人の状況次第でいくらでも変わる。
- 和田秀樹氏や佐藤ママが過去問の利用法を書いた受験本を出している。
- 過去問を集めた問題集。
- ほとんどが年度別だが、分野別のものもある。
- 昔からある代表的な過去問集にいわゆる「赤本」がある。
- 以下、詳しくは各項目参照。
- 教学社が出版している。表紙が赤いためこう呼ばれる。
- センター試験と大学別の過去問を収録している。
- 大学別過去問では、有名大学からマイナーな大学まで多数取り揃えている。恐らく全ての受験生がお世話になるだろう。
- 河合塾系列の河合出版が出版している。表紙が黒いためこう呼ばれる。
- センター試験の過去問しか出版していない。
- 大学別過去問は
意外にも出していないが、オープン模試の過去問を収録した『入試攻略問題集』(紫本)の前身の『直前問題集』(~1985年)『入試予想問題集』(1986~1993年)は、「入試問題編」として近時の過去問も模範解答付きで収録していた。
- 代々木ゼミナール系列の代々木ライブラリーが出版して
いるいた。表紙が白いためこう呼ばれる。
- センター試験の過去問しか出版していなかった。
- 非売品では東大などの過去問集があった。
- 解説が粗略で、赤本や青本ではなくこちらを利用する生徒は少数しかいない。
- 代ゼミの事業縮小の影響からか、2014年発売の2015年版を最後に現在は出版されていない。
実戦問題集の方は細々と出版されている。
- 東進系列の東進ブックス(ナガセ)が出版。
- 2018年発行の2019年度版からセンター過去問とその解答解説を出版。
- 数学は2010年、英語は2014年から過去問集は発売されていた。
- 教科は国語数学英語で、各本試10年収録。そのため、赤本、黒本に比べてサイズ感が小さく持ち運びしやすい。
- 表紙には東進の超人気講師総合監修とあるが具体的な講師は不明である。
- 各大学の合格者平均得点や大学生からのアドバイス、正答率などデータ面が詳しい。
- 東進の過去問データネットに書かれている解答・解説と何が違うのかという声も聞かれる。
- 国語の解説は本文解説をせず、傍線部とその周辺部の要旨から絞るため、関西駿台の方針に最も近いと思われる。
黄本
- 正式名称は『角川パーフェクト過去問シリーズ』。KADOKAWA学習参考書編集部が出版している。
- 2020年現在、一般流通ルートで簡単に入手できる難関大学の過去問集はほぼ赤本・青本とこの黄本のみである[要出典]。
- 2018年秋から刊行がスタートした新しいシリーズ。現在のところは極めてマイナーな存在であり、赤本・青本の牙城を崩すには至っていない。
- 今時らしく某東大生クイズ王やそのYouTubeチャンネルを宣伝に起用しているが、効果は出ているのだろうか。
- センター対策参考書の方の黄色本とは別シリーズだが、同じく表紙が黄色いためこう呼ばれる。
- 角川も広告などで「黄本」という呼称を使っている
が、「黄色本」の方が明らかに言いやすい。
- 現在刊行されている学校・学部は少ない(2020年2月現在、早稲田・慶應・明治・法政・同志社・立命館のそれそれ一部の学部のみ)が、今後早慶・GMARCH・関関同立などの学校を中心に種類を増やしていく方針を明らかにしている。
- 赤本・青本との差別化のためか、既存の過去問集と大きく異なっている点が多い。
- カラー印刷で色を多用した紙面構成、コピーしやすいB5版印刷、記述解答用紙が巻末に付いている、など。
- かなりカラフルなので若干目がチカチカする。ここで好みが分かれるかもしれない。
- 全体的に赤本よりも解答・解説が詳細で質も良いが、収録分量が過去3年分とやや少なめなのが欠点。
- 志望度合いや科目の苦手さ具合によっては赤本・青本との併用もアリであろう。
- 併願校対策に赤本・青本ではなくこれを用いる生徒もいる。
- 少なくとも直前期の併願校対策には非常に良い。
- 正攻法と時間短縮用の解法を両方載せたり、大問ごとの難易度や時間配分の目安を掲載しているなど、解説はかなり懇切丁寧である。
- 過去問解説の皮を被りつつも一般の受験参考書のような雰囲気がある。
- 執筆は駿台・河合塾・東進・代ゼミの講師などが担当している。駿台からは関東の講師が多く参加している。