日本史特講II(社会経済史)
Sun, 17 May 2020 02:43:48 JST (1433d)
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福井紳一先生の講座
お茶の水校では締め切りになるほどの人気講座を映像で収録したもの。福井先生の授業スタイルに関して、論述には塚原先生などから苦言を呈されることも多いが、社会経済史の講義は評判が良い。
お茶飲みwiki:日本史特講Ⅱ(社会経済史)
設置校舎
通期のオンデマンドサテネット講座に2017年度から新設
映像で良ければ年中受講可能。
夏期
冬期
担当講師
- 福井紳一先生
テキストについて
テキスト作成者は福井紳一先生
授業について
特徴
- 4日間で合計17時間以上、土地制度史・社会経済史に焦点を絞り、徹底的に講義調で進む講座。
- 問題演習等は一切なく、ひたすら講義を聞く。
- 政治的な雑談は全くなく、政治史の復習をしつつ経済史と絡めたりと、内容はとても濃いものとなる。ただ戦後は時間の制約上ほかの時代と比べて早足で進む。
- 但し、雑談は本講座では一切無いため、映像で取ると単純計算で6時間半も授業時間が短くその分ストレートに内容が薄くなる。
- この講座で扱った内容は、経済・商・経営系の学部に進んだ場合、大学での専門科目の基礎にもなったという声も卒業生からあるほど中身が濃く、充実している。
- 経済に進むと財政学、商・経営に進むと流通論でこの講座で扱った内容をさらに詳しく学ぶ。
- 社会経済史が苦手だった学生がこの分野を得点源にするようになったり、元々日本史が得意であったり、この分野が得意であった学生も社会経済史の根底にある基礎から学ぶ直すことでより深い理解が出来るようになったなどの声が毎年のように聞かれる。
- 独習では理解しにくい分野である為、数ある必修講座(文化史など)を無視してでもとったほうがいい。
- 東大、一橋大志願者には特に推せる講座。この分野は頻出であるが、この一講座ですべてが完結するといっても過言でない。
- この講座で基礎知識を叩きこんだあと、東大日本史を受講すると論述能力が向上する。
内容
- まず始めに全時代を5区分法し、大局的に社会経済史全体を俯瞰する。
- そこから時代別にマクロの視点(師は鳥の目という)で大枠を把握し、詳細の項目を理解する(師は虫の目で見るという)ことを繰り返す。
- 荘園公領制や金融システムなどの多くの受験生が苦手とする論点は特に時間をかけて図解でじっくりと説明したあと、テキストの本文に戻って改めて確認する。
- 師の長年の経験からよく練られた図を利用して解説を行うことがあり、受講生は図に書き込みながら聴講する。
- しかし師は図をナマモノだと言い、聞いた直後は理解がいいが復習を怠ると、図を見ても訳が分からなくなってしまうので、他人に説明できるようなレベルでの復習をしっかりすることも強調される。
- この講座を受講する生徒の大半は東大などの国立大志望の生徒なので、理解を確かめるためにも一度、図で理解したものを自分で文章にしてみるとよいとおっしゃる。普段、論述の添削などは一切なさらない師であるが、この文章に関しては講師室に行けばじっくりと見てくださる。
班田制と初期荘園の消滅(1日目)。鎌倉の地頭の荘園侵略、室町前期の守護の荘園侵略etc.(2日目)などがマクロで社会経済史を捉えられ、繋がりがわかり感動を覚える。